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店内はやや薄暗く、カウンターの向こうでは寡黙なバーテンダーがせっせとワイングラスを拭きながら客の話を聞くでなく聞かずでなく、物憂げに立っている。カウンター席には中年のやや高級な背広と時計を着けた男が2人、ネクタイを少し緩めて談笑している。店内には他に客はおらず、静かなムード音楽が流れている。
「あれだな。○山先生の近頃の作品は往年の焼き直しみたいな物ばかりだな」
「そりゃあそうさ。何でも先生、この頃ゴルフ三昧で、噂によると実際の執筆は若手の△川にさせているらしいぞ」
「エーッ?あいつは器用だとは思ってたが、ゴーストまでやってるのか」
「そうさ。金に汚いという評判だからな」
そのとき、ドアが開きカウベルがカランカランと音を立てて数人の人影が笑い声とともに入って来た。
「さあさ、着きましたよ。わが隠れ家の穴蔵へ。センセー、どうぞこちらへ」
チーママがでっぷりとした少しやぶにらみの初老男性をボックス席に誘導する。男は満面に笑みを浮かべ、背広を脱いでチーママに渡すと、ソファへどっかりと腰を下ろした。ソファがキュキュウという悲鳴を上げた。背広の下はゴルフウェアだった。
「ママあ、ヘネシー、ロックで。それとこいつ等にはビール」
こいつ等と呼ばれた2人の男はきちんとした背広に社封筒を抱えている所を見るとどこかの編集者らしかった。
・・・って感じかなと想像するんだけど、本当はどんなところだろう?
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